今日もウワノソラヒルズのスタジオからお届けします、はい、青山バジルです。

個人が企業を強くする エクセレント・パーソンになるための働き方20世紀

ヒトモノカネと良く言われたが、これからは違う、人人人だ!と始まる本書。

私も人物金だよ、と大先輩に教わったのは20歳になったころです。

今から19年前です。それが、人人人だ、と。

例えば特許なんかもお金を払えば利用できるし、物もお金も溢れている。それで人だ、ということなんですね。大前さんはそういう理論をもう随分と前に発表していたわけです。

給料が上がらない唯一の国

実際日本人の名目賃金は過去20年間にわたってほとんど上がっていない。OECD(経済協力開発機構)35か国の中でも、中位以下の19位まで下がっている。近年は下げ止まる傾向にあると言われているものの、この20年間に各国が軒並みに大幅に上昇しているのに対し、ただ1国、日本だけがマイナスなのである。初任給も20万円ほどのままで変わらず、欧米先進国に比べて大幅に低くなっている。もし安倍首相が賃上げの成果を自慢したいのなら、アメリカやEUで給料が2倍近く増えているのとは対照的な、そうした日本の深刻な事態くらい調べてから口を開くべきだ。

個人が企業を強くする 大前研一著より引用

日本経済は失われた10年と言われてきましたが、既に10年が追加されて失われた20年となっているのです。

北京で見た、キラキラした瞳

私が2014年に中国、北京に行った時に、若者の目が違う!と思いました。

キラキラしているのです。

希望に満ち溢れている、というんでしょうか、自身を持って仕事しているというんでしょうか。
中国というとなんとなくすぐにサボる、手を抜く、という印象があったのは嘘ではありませんが、そのイメージは払拭されたのを昨日のように覚えています。
どちらかというと手を抜く、というような文化は地方から来た人だ、と聞きましたが、みんなアグレッシブなんです。

それもそのはず、毎年給料が上がっていくわけです。当時はiPhoneの部品を作っている今やシャープを買収したフォックスコン(ホンハイ)なんかも賃上げ、賃上げといっていました。

給料を上げないと人が来ないんですよ。
作れば世界が買ってくれるわけですから、高度経済成長のころの日本のような活気です。

私がオフィスを持っていたところも、毎年家賃が上がると言われていました。

ある意味バブルという風に片付けてしまえばそれまでかもしれませんが、そうやって経済は成長していくわけです。
日本も昔は貧しかったことをご存知でしょうか?
私の大先輩、師匠にあたる方はもう70歳なのですが、結婚式で履いた靴を今でも履いてるよ。とおっしゃっていました。

その靴は3万円だったそうです。

で、その方のその時の給料が2万とか3万とか。
今20万円で、当時2万円が給料だとしたら10倍、給料が上がったことになりますよね。
でも、この20年くらいは上がっていないんです。
これを日本の人はあまり危機に感じていなくて、20代の子たちもいやいや、そのくらいでしょう給料は。
と上がらないことに疑問を持っていないのです。
諦めているというより、そんなものだから、その中で生活して楽しもうよ、とゆとり世代とか、悟ったようだと悟り世代とか面白おかしく言われていました。

でも、世界はすごい勢いで成長している

でも、実際世界各国はどんどん給与が上昇していて、給料が上がると家賃も上がるし、物価も全体的に上昇するわけです。

こうして国は豊かになっていくんですが、とりわけ日本については成長していないということが明らかなのです。
大前さんの本によれば、日本は貯蓄率も群を抜いて低いとあります。

これは勤勉で貯蓄に関してはせっせと行っているイメージの日本人像からすると驚きです。

どうやら1970年代には20%以上と先進国の中でもトップクラスだったのですが、年を追うごとに下がっていきました。
なんと家計金融資産の伸び率は、アメリカやイギリスの半分程度だそうです。
ということで、真剣に働き方を私たちは見直さないとどんどん世界の負け組になってしまうのです。

島国だと感じない外の脅威

日本という島国にいると感じにくいんですよね、ちょっと海外に出るとハッとしますよ。

北京でもマッサージとか、日本よりも高いし、食事も安くないんです。

日本が安いんですよ、安くなったんです。
このクオリティ、サービス、料理、外観、レベル高いと思います。
レベルが高いのに安いんです。だから海外の人がこぞって日本に来るんです。

中国人ばっかりだ!と銀座や青山なんか歩いていると日本人が言っていますが、これはね、安いから来るんですよ。
服だった私がよく行っていた2014年の時点でも中国の方が30%高かった。

日本に来ているのは富裕層と呼ばれる方が多いのは事実ですが、日本は安くていい国だね。とおっしゃってました。
そうなんです、安くなっちゃったんですよ。

そこに加えてAIで仕事は失われる、といいますが、アメリカでこんな流れが起こっている、と本書にあります。

キグ・エコノミー

欧米発「ギグ・エコノミー」の波一方で、欧米では「ギグ・エコノミー」が拡大している。ギグ・エコノミーとは、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う労働形態、およびそれによって成り立つ経済のことで、代表的な例は、スマートフォンを活用したタクシー配車サービスの「ウーバー」のドライバー、民泊サイトの「エアビーアンドビー」のホスト、ネット経由で企業からデザインやコンテンツ制作、システム開発、翻訳といった業務を受注する専門職のフリーランサーなどである。ちなみに「ギグ」とは、もともとジャズミュージシャンが使い始めたスラングで、一度だけの短いソロ・セッションをやること。それが転じて「単発の仕事」という意味で使われるようになったのである。

今、働き方は大きく変わっています。

この欧米のギグエコノミーは時間給じゃなくて、成果単位で仕事が受発注されるのです。

クラウドソーシングというサービスも日本に登場して日は経つが、新しい商品のロゴ、という案件だけをデザイナーに依頼すると、たくさんのデザイナーが手を上げてくれる。
私はアパレルの仕事をしていますが、ヌッテというアプリをご存知でしょうか?

ヌッテとは縫製を担当している一人の職人と、発注したい個人をマッチングするクラウドサービスです。おばあちゃんが着れる結婚式の服を、これこれこのくらいの予算で塗ってくれる人いませんか?と問えば、私は婦人服のパターンを20年やっていて、それならこういう服はどうですか?このくらいの納期で受けますよ。と返ってくる。

クラウド上でフリーランスで生計を立てる人間と、それを発注したい人間が直接成果単位で結びつくのです。この流れは世界的で、アメリカでもクラウドソーシングが花盛り。
最大手のアップワークには、世界中で1000万人以上のフリーランサーが登録しているといいます。
1人1人がウェブの世界で繋がって、どちらが上とかどちらが下ではなくて、フラットにつながるんです。日本は言葉という壁がありますが、インドやフィリピンというと英語圏です。
するとアメリカの案件だってネット上で受発注できるんですよ。

それに安いですよね、アメリカの仕事をもっと安くやりましょうか?とプログラマーの方が手を挙げるんです。

日本だって中国の大連なんかに行くとコールセンターいっぱいあります。日本語が話せれば成り立ちますからね。
こうやって競争は隣に座ってる人とか、同期、他部署の人ではなくて、まさに中国人、インド人と一緒のフィールドで闘っているんです。が、見えにくいですね。
それからパーツをうまくアウトソーシングすれば良いんですが、なかなか日本の古い体質の企業はそれをしませんよね、だからグイグイと差が引き離されてるわけです。

もう時間給の時代ではないし、もっといえば私もこの記事をハワイで書いていたっていいわけです。

場所という概念もなくなってきたんですよ。

以上、ウワノソラヒルズのスタジオから、プランター育ちではない、野生のハーブとして生きる青山バジルがお届けしました。

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ABOUTこの記事をかいた人

青山バジル

アパレル企業経営者。 大手企業に新卒入社するも3年で退社。その後フリーター、フリーランスを経てベンチャー企業に入社。現在はアパレルの会社を経営しながら面接を行う日々。 大手から中小企業、フリーランスまで自分自身の様々な仕事経験から、働き方に悩むビジネスマンに向けてメッセージを役に立つことをお届けします。